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平成14年の暮れ、町おこしを考える数名の住民有志からの「寒い中、真壁に来てくれる人をもてなせないか」というひと言から、「町なかにお雛様を飾ろう」という発想が飛び出しました。
翌15年1月下旬、有志たちがお雛様を飾っていると、それを見ていた町の住民たちも自主的にお雛様を飾り始め、いつの間にか約40軒にお雛様が飾られました。
有志たちはこのような動きに感激し「お雛様を通して、和の文化・和む心・人の和が広がってほしい」と、その思いに“和の風”と名前を付けました。これが真壁のひなまつりの始まりです。
2回目以降も、お雛様を飾る家や店は次々と増え、まるで風が吹いたかのようにひとりでに広がっていくことに物語を感じた有志たちは、2回目を第二章、3回目を第三章としました。
今では、お雛様が100軒以上に飾られ、観光客も約6万人が訪れるようになりました。
このように発展してきた真壁のひなまつりの最大の特徴は“おもてなし”です。
もともと始まりが「真壁に来る人をもてなそう」ですから、住民の皆さんが当たり前のようにおもてなしをしています。家によっては、お茶や甘酒を振る舞い、お漬物などを出しておもてなしをしています。しかし何といっても最大のおもてなしは “語り”です。住民が真壁のことを語り、観光客との会話を楽しみます。
物売りばかりが目立つ観光地に比べ、物売りよりも“おもてなしの心”を大切にする真壁の人たちの姿は、日本の懐かしい心の風景なのかもしれません。
それからもう一つの特徴が“みんなが楽しむ”です。
先述したように、真壁のひなまつりは参加自由型です。自宅にお雛様を飾り、人との出会いとおもてなしを大切にするだけでいいのです。誰もが自由に参加できる雰囲気から“ひなまつりの主役はお雛様を飾った皆さん”というスタイルが自然に出来上がりました。男性も女性も子供たちもみんなが主役です。
手芸等の趣味のある人達は、雛人形やつるし雛などを作り、お雛様のまわりを飾ります。ひなまつりは作品の発表の場であり、どこかの展示会場を借りるよりもはるかに多く人に見てもらえるのです。
また、最初の年から町中を流れる山口川で開催してきた“和の風流し雛”も、多くの子どもたちが参加し、町全体で子どもたちの成長を祈る行事として定着しました。
このように誰もが自由に参加できるひなまつりは、単なる人寄せイベントではなく、“人の和”の大切さを教えてくれる物語のようです。
ひなまつりを見に来た人から、「懐かしい故郷に帰ったようでした」とか「久しぶりに家にあるお雛様を飾りました」という便りが届いています。
真壁からの“和の風”は大きく広がり始めています。
✿真壁のひなまつりの開催情報は→こちら
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